Work guide
「がんばる!」というマインドは大事ですが、忙しいと、チャレンジが億劫になったり、続けることが難しくなります。そもそも何をがんばればよいのかが分からなくなったり、不安になることも…。
2021年4月に「グラフィックレコーディング」に関する著書を出版した吉田瑞紀さん。公務員からWebデザイナーに転身した理由や、セミナー講師の仕事、書籍を出版した経緯をうかがいました。積極的に動くヒントや、決めたことを挫折しないで続けるノウハウは、Web業界で活躍し続ける参考になりますよ。
フリーランス、契約社員
Webデザイナー、コーダー
経歴
国土交通省勤務から、2018年にアルバイトとしてWebデザイナー兼コーダーに転身。1年後、派遣社員として働きながら、フリーランスでの活動も開始。現在はフリーランスと契約社員を両立させ、複数のサイト運用や構築に携わる。
2019年から、スキルのシェアリングサービス「ストアカ」※1で「グラフィックレコーディング※2講座」を開講。1500回以上の講座を開き、平均満足度4.4以上を獲得するプラチナ講師に認定される。
2021年4月には著書「問題をシンプルにして毎日がうまくいく ふだん使いのGRAPHIC RECORDING」を出版。
※1 ストアカは、学びたい人と教える人がつながるスキルのシェアリングサービス。個人間でも、気軽に教えたり、教わったりできる。
※2 グラフィックレコーディングとは、要約してイラストや図に書き出す手法。
―― 安定した国交省での仕事を辞めようと思ったのは、なぜですか?
国家公務員だったため、全国への転勤がありました。将来結婚して、「好きな場所で、大切な人(家族)と暮らす」という希望が叶いそうになくて…。公務員をしながら、1年ほどかけて人生を見つめなおしました。
その結果、自分にとって大事なことが「自分の人生を自分でコントロールする」ことだと気付き、転職を決めました。
―― Web業界に決めた理由と、その後の経歴を教えてください。
好きな場所や在宅で働けるWebデザイナーがよいと思い、当初から将来は独立すると決めていました。最初は未経験で、アルバイトとして教えてもらいながらスタートしました。派遣で実績を積み、今はフリーランスとしても活動しています。
―― お仕事はフリーランスだけですか?
フリーランスは収入面で安定しないので、派遣など安定した収入も確保するようにしています。現在は契約社員のWebコーダーとしても働いています。コーディングの知識が足りないと感じているので、新しい技術を身につけることができるのも、メリットの1つです。
―― フリーランスになるために、最初は何から始めましたか?
まずはフリーランスになるために必要な知識を本を読んで勉強。そして、「独立するためにはどうすればよいか?」「マーケティングについて学びたい」といろいろな方に相談しました。相談していく中で、マーケティングを仕事に独立している方に学ばせていただこうと決めました。
―― どのような方から学ばれましたか?
知人からいろんな方を紹介してもらった中で「この人!」と思える人に出会いました。「自分も将来は、こういう人になっていたい!」と思える方です。自分が成長するためには、足りないところを指摘してくれて、目標となる人と接しないとダメだと感じました。
―― 教わってみて、どうでしたか?
「雑な報告をするな!」と叱られて、落ち込むことも…。でも、後で冷静になって考えると、納得することばかり。積極的に質問したりお話をうかがい、3年間でフリーランスに必要な知識や考え方を身につけました。
サラリーマンとフリーランスでは考え方が違いますし、当たり前ですが派遣の仕事ではフリーランスのマインドは教えてもらえません。それに、さまざまな経験談は、ネットで得られない話で、とても貴重でした。
―― 2021年4月にグラフィックレコーディングの著書を出版されましたね。グラフィックレコーディング(以後、グラレコ)との出会いは?
本が好きで週に1~2回、読書会に参加して、本を紹介していました。すごくおもしろい本でオススメしたい気持ちとはうらはらに、口から出るのは「おもしろかったです。」という感想だけで、本の概要もよさも何も伝わらず…。そこで、イラストを使って本を紹介し始めました。
そのときは、まだグラレコの存在を知らなかったですね。知人に「グラレコ」というワードを教えてもらってからは、本などでグラレコの技術を学びました。
読書会でグラレコを使って紹介すると、すごく反響がよくて、びっくり!「説明1つでこんなに反応が違うんだ!」と。
―― グラレコは絵を描くだけではないのですね。
グラレコは、「考える力」と「イラストや図にまとるスキル」が必要です。読書会では人に説明するので「伝わる話術」も。私は何冊もの本を紹介する中で、より伝わる内容のものを、短時間で書けるようになりました。
―― グラレコは読書会のために上達させたのですか?
仕事のためにグラレコのスキルを磨きました。フリーランスの仕事は、営業やプレゼンなど、話したり説明することが必須です。でも、もともと話ベタの私…。これを打破しないと、フリーランスの仕事は軌道に乗らないと思っていました。グラレコを通して、伝わりやすい説明の仕方や、相手が求めていることを理解してアウトプットする力も、身についてきたと思います。
―― 仕事でどのようにグラレコを使っていますか?
今はフリーランスでのクライアントとのWebサイトの打ち合わせのときに、グラレコを用いながら、サイトの構想を練ります。お互い理解しやすく、何を目的にするかなどマーケティング目線でのゴールも明確です。
また、考える力や相手に伝わる説明の仕方は、契約社員での仕事のメールやチャットでも発揮できているようで、「質問内容がまとまっていてわかりやすい」「過不足ない説明でよい」と、うれしい評価も。
―― スキルのシェアリングサービス「ストアカ」でグラレコを教えているそうですね。
多くの方にグラレコを広めたいと思っていたところ、ストアカの存在を知りました。ストアカは学びたい人と教える人がつながるプラットフォームで、個人間でも気軽に教えたり、教わったりできます。
ストアカ自体が、最初は対面レッスンがメインでした。自分で大阪梅田の会議室を予約していましたが、週に1度レッスンがあるかないか…。でも、コロナの影響で、ストアカのオンラインレッスンが解禁されると、全国からの受講生が一気に増えました。
―― ストアカのビジネススキル部門で週間ランキング1位を獲得。プレミアム講師に認定されるなど、すごいご活躍ですね。
グラレコが、サラリーマンから主婦の方まで、幅広い層に役立つからだと思います。私は毎朝平日の7:30からレッスンをしていて、朝はスケジュールが立てやすいのも、受講生が多い理由かもしれませんね。今まで1500回以上の講座を開いてきて、受講生が行き詰まるポイントも分かってきたので、教え方も工夫して的確にアドバイスできるようになりました。
―― 本を出版された経緯や反響は?
―― グラレコやストアカを続けられるコツを教えてください。
読書会で「次回も参加します!」と宣言をすればサボれないし、中途半端なグラレコをつくれないですね(笑)。
ストアカは、一か月先のスケジュールを公開して、受講生を募集し始めます。申し込んでくれた人がいるのに、キャンセルすることはできないので。
―― 続けられる環境を自分で作るんですね。
自分一人では続かないことを、自分がよく知っています(笑)。追い込まれる環境に、身を置くことを意識しています。
もちろん、参加者の応援や感謝はモチベーションがアップします。それに、続けているからこその楽しみも!ストアカでは、リピーターも増えて、その方の成長を見るのも楽しみの一つです。
―― フリーランスや契約社員、ストアカ講師など忙しいと何かを辞めたくなることは?
今は週5で契約社員として働いていますが、以前の派遣の仕事は週3~4日だったので、フリーランスの仕事や勉強に時間を割いていました。本を出版するときは週3日の派遣だったので、執筆活動ができました。そのときどきで自分に必要なことに、時間を割くことが大事ですね。自分のペースで続けられるようにしています。
―― 今後の目標やプランについて、教えてください。
これからも「自分の人生を自分でコントロールする」を実行していきます。 家族(大切な人)に囲まれた人生にするために、健康、経済力、時間、人間関係がキーポイント。Webデザイナーやグラレコは、目標達成のための手段ですね。
―― プラン通りにいかないこともあるのでは?
本の出版は人生プランにはなかったので、本当にうれしいハプニングです!もちろん、今後はよくない事も起きると思います。八方ふさがりの時は、目の前だけしか見えてないんだと思います。つまづいた時こそ、数年先、数十年先を見て、目標を再設定したり、他の方法がないかを柔軟に考えて行動しようと思っています。
―― 目標を持つことが難しいと感じている人にアドバイスを
自分が好きなことや、逆にやりたくないことを考えるといいですね。どんな人生を送りたいかなど抽象的なことから、収入や時間など具体的なことまでを考えていくと後悔のない結果が選べると思います。私は心配性なので、漠然とした不安に飲み込まれないように、100歳まで年齢ごとの目標を、仕事とプライベートそれぞれに立てています。
―― 若い世代の活躍を応援するのも、目標の1つなのですね
自由な働き方を実現するのと同時に、若い世代の活躍を応援したいと思っています。グラレコは考え方を深めたり、悩みを解決するための手段としても使えます。今度、ウェブスタッフでグラレコのセミナーをするのですが、同じクリエイティブ業界の人に教えるので、楽しみです。
―― 貴重なお話をありがとうございました。
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ある程度経験を積んだので次のステップにキャリアアップしたい、しばらくWeb業界を離れていたが再度業界に戻りたい、 未経験・経験浅めだがどのように転職活動を行っていったらいいかなど、ウェブスタッフでは様々なご要望に対応したキャリアアドバイスを行っております。
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