Work guide
変化の激しいIT・Web業界では、ひとつの技術がずっと使われ続けるわけではありません。そのためスキルを深めることだけでなく、スキルの幅を広げることで、キャリアアップの可能性が広がります。
そこで、WebデザイナーからWebディレクター、プランナーへとキャリアアップをされてきた、クオン株式会社 コミュニティエクスペリエンスデザイン部の課長 高橋 元気さんに、これまでの仕事の仕方やキャリアアップのきっかけについて伺いました。
クオン株式会社
コミュニティエクスペリエンスデザイン部 課長
経歴
独学でWebデザインを学び、Webマガジンの制作・運営会社で企画から制作までを担当。2010年に株式会社エイベック研究所(現:クオン株式会社)にWebディレクターとして派遣就業、翌年正社員登用。
現在はコミュニティエクスペリエンスデザイン部の課長として、さまざまなファンコミュニティのマーケティング戦略・戦術に携わる。これまで手掛けたのは、「じっくりコトコト ファンコミュニティ」、「クレライフ コミュニティ」、「東北ココロイキルヒトコミュニティ」など。
クオン株式会社 概要
ファンコミュニティクラウド(BtoC向け専用構築サービス)市場売上No.1(※)の実績を持つ、企業と消費者をつなぐインターネットのコミュニティ開発と運営・コンサルティングを行う会社。複数の特許技術を用いたデータサイエンスを駆使し、企業と消費者との上質なネットワーク「ファンコミュニティ」を築き、ファンコミュニティの企画・運営を通じて、企業と消費者の関係構築や課題解決、持続的発展を実現。
※2018年企業運営型ファンコミュニティクラウド専用構築サービス市場 事業者売上高ベース(株)矢野経済研究所調べ2019年6月現在
―― 高橋さんがWeb業界にご興味を持ったきっかけを教えてください。
Web業界に入る前は、都内の印刷会社でDTPオペレーターをしていました。2008年に地元の友人が地域Webメディアの運営会社を立ち上げることになり、デザイン担当者として仕事を手伝うことになったんです。もともと興味があったこともあり、独学でWebを勉強しました。
3人しかいない会社だったので、デザインからコーディングまでをひとりで担当していました。入ったときにはメディアの立ち上げまで2ヶ月しかないような状況で、ローカルニュースの取材もしながら、ひとりで100ページくらいコーディングしましたね。
―― 100ページ!Web制作を始めたばかりのタイミングでひとりで担当するには、大変な量ですね。
はい、サイト制作自体初めてでしたし、当時はWordPressの使い方なども知らなかったので、HTMLを覚えてゴリゴリとコーディングしていくという感じでした。そのあとCMSを導入しましたけれどね。そのように手探りで2年ほどメディア構築・メディア運営に携わりました。
―― クオンにはどのようなきっかけで入社されたんですか?
―― 新しい分野の仕事をすることになり、入社当時は大変だったのではないでしょうか。
もともとWebメディアの仕事をしていたため、Web制作の仕事内容そのものがわからないとうことは基本的にはありませんでした。ただ、Web制作とは違った「ファンコミュニティマーケティング」という分野でしたし、クライアントの規模がそれまでとは全然違いましたね。ひとつのプロジェクトに関わる人数が多く、予算も大きかったため、わかりやすく情報を整理した資料をもとに、クライアントにサイト内容や施策を提案する必要がありました。
クライアントを納得させられる資料づくりというのは、それまでなかった経験です。先輩からPowerPointを使ったプレゼン資料の作成方法やプレゼンのノウハウを教わりながら、いろいろな案件を担当して経験を積ませていただきました。
そして、約1年後に正社員に登用されました。そこからは、企業やブランドのファンコミュニティ以外にも、スポーツメーカーのサイトをつくったり、化粧品のランディングページをつくって資料請求につなげたり…制作チームでさまざまなサイトのディレクションに携わりました。
―― 高橋さんは現在ファンコミュニティのマーケティング戦略・戦術に携わっていらっしゃいますが、どのような経緯で企画の仕事をするようになったんですか?
もともとはWeb制作出身でしたが、クオンに入社してファンコミュニティの仕事に携わるようになり、徐々にマーケティングやプランニングと言った部分にも関わるようになりました。もちろん最初はそういった知識もほとんどない状態でしたので、プランナーの業務をいちから学んで実践していった感じです。
クオンは「コラボレーション」というものを重視している組織で、みんなでアイデアを出すときは役職も関係なくコラボレーションに参加することを求められます。新しい仕事にチャレンジするうえで、そういったアイデアを出しやすい環境だったことも恵まれていた部分ですね。
―― プランナーへのキャリアチェンジは、突然のことだったんですね。実際にプランナーとしてお仕事されるようになった中で、特に印象に残っているものがあれば教えてください。
企画部門に移って初めて担当した案件でしょうか。コミュニティサイトの企画・施策のプランニングをして、1年かけてデータを集めて、その分析データから次にどうしていくかといった提案をするまで、一連の流れのすべてに関わりました。
かなり有名な商品の案件だったこともあり、プレッシャーも大きく大変だったのも事実です。しかし、その中でクライアントが何をやりたくて、これまで何をしてきて、そこでなぜコミュニティを選ばれたのか、そういったことにすべて関わらせていただいた初めてのお仕事だったので、とても印象深いですね。
その後は、いろいろなコミュニティの企画・プランニングをやらせていただきました。2018年からは、クライアント企業がやりたいことを実現するためにどのようなコミュニティ設計が最適かといった、マーケティングやプランニングのさらに上層のコンサルティングのようなことにも関わっています。
―― これまでのお仕事のご経験を活かして、新たに取り組んでいきたいことはありますか?
これまでクオンのクライアントは企業が中心で、いろいろなブランドや商品のコミュニティづくりをお手伝いしてきました。最近ではさらに、地域や自治体と連携したコミュニティづくりがスタートしています。会社としても本格的な自治体コミュニティの取り組みは初めてです。だからこそ、いろいろな自治体や地域と一緒になって面白いことができるのではないかと、個人的にとても楽しみですね。
たとえば先日、仙台市の「東北ココロイキルヒトコミュニティ」が立ち上がりました。仙台市の戦略として、社会起業家をどんどん増やしていこうという動きがあるんです。なので、最近は社会起業家の方たちのプレゼンをお聞きしたりイベントでご一緒したりする機会が多くなってきました。
その中で、みなさんコミュニティ的なものの必要性を話されていて。こういった部分に対し、これまで培ってきたノウハウを利用して、クオンが自治体と一緒になって地域のみなさんに提供できることが増えていけば良いなと思っています。
―― 高橋さんがWeb業界で10年以上ご活躍されてきた中で、キャリアアップ・スキルアップのために心がけてきたことはありますか?
なんでもやってみることです。食べ物に例えるなら、なんでも食べてみることが大切かなと思っています。そのときどきに自分に与えられたものをなんでもかんでも食べていたら、自然に自分の力になっていくといった感じでしょうか。今すぐに必要でないものであっても、知っておいたほうが良いものはインプット量を増やしていくことが大切ですよね。
そしてスキルや知識をインプットするだけではあまり意味がなくて、それを誰かに発信したり、使ってみたりすることも必要です。インプットとアウトプットの両方をやり続けることが一番のポイントかもしれませんね。
―― 実際にインプットとアウトプットをどのように実践されているのですか?
まずインプットに関しては、仕事で新しいジャンルに出会ったり新しい知識が必要になったりしたら、ひとつのテーマでいくつか本を読んでみるようにしています。何冊か読んでいると、知らないキーワードが出てくるので、今度はその内容についてを読んでみて。すると、だんだん知識が枝のように広がっていくんですよね。
一時期は無謀ながら「社内で一番本を読んでやろう」と思っていました。その1年間は、スマホのゲームもすべて消して、SNSのプッシュ通知も消して。読みながら気になったことをスマホのメモに残したり、ページの写真を撮ったりしながら、週に1冊くらいのペースで読んでいました。
僕は本を読むのが割と好きなので、勉強という感覚ではありません。興味のおもむくままに、いろいろなジャンルを読んでいます。マーケティングや企画コンセプトづくりのような仕事に直結するものを読むこともありますし、歴史やリベラルアーツのようなものを読むこともありますし…。
知りたいことをWebで検索することは日常的にありますが、何かを身に付けようと思ったときには本を読んで知識を仕入れることが多いですね。
またアウトプットについては、新しく知った技術を仕事で使ってみたり、身近にいる人に本で学んだ考え方を伝えたりと、ささいなことでも実際に活用してみるようにしています。
クオンではSlack(ビジネスチャットアプリ)を活用したコミュニケーションが盛んです。Slack上にさまざまなチャンネルがあるので、そこで自分が得た知識やスキルをお互いにアウトプット・シェアする文化があります。チーム内で情報をシェアしていくことが、大きな成果につながることも多いですね。
―― 高橋さんは新しい分野にもどんどんと取り組んでいらっしゃいますよね。新たな一歩を踏み出すコツはありますか?
自分の性格的に、誰もやったことのないことをやりたいという気持ちが基本的にあります。新しいことをやっていると自分が楽しいんです。ただ、そういった新たな一歩を踏み出すことが苦手な人が多いからこそ、まずは「率先して第一歩を踏み出そう」と思っている部分はありますね。
新しい領域のことに取り組むときには、その分野に詳しい人に聞くこともありますし、自分で本を読んだり、ネットで調べて関連記事を読んだりもします。すると、その領域で必要なことが少しずつ見えてくるので、さらに調べていく感じです。調べる範囲をだんだんと広げていくと情報がたまっていき、「あ、こういうことか」とある程度理解できるタイミングがやってくるんですよね。
そうやって僕は、少しずつ新しいものにチャレンジしてきました。
―― Web業界での活躍を目指している方は、どんなことに気をつけて仕事をしていくと良いと思いますか?
Webの仕事では、周りの人と前向きに関わっていくことが大切です。経験や知識がないものは勉強すれば身につけることができます。ただ、チームの中でほかの人と一緒に仕事に取り組んでいけるヒューマンスキルは、業務に関するスキル以上に重要な場面が多いと思います。
Web業界では、フリーランスでお仕事をしていく人も多いですよね。ですが、会社に属したとしてもフリーランスでやっていくとしても、自分ひとりでできる仕事はありません。ときどき自分の意見を押し通そうとする人もいますが、仕事をしていくうえでは、いろいろな人とチームとなって一緒にやっていく必要があります。
いろいろな方と一緒にお仕事をさせていただいてきましたが、仕事ができる人ほど、一匹狼のような仕事の仕方はしていないんです。周囲と一緒に協力してやっていく姿勢でどんどん巻き込んでいける、そういう人を目指していきたいと僕自身思っていますし、そういう人が増えるといいな、と思っています。
―― 最後に、Web業界の中で頑張っている若手の方に、メッセージをお願いします。
ひとつのことを完璧なところまで究められる人は一流のクリエイターになれる人だと思います。ただ、たいていの場合、7割くらいのところまでは行けるけれども、残りの3割を極めていくことがとても大変なんです。
ですから、常に完璧な100点を求めるのではなく、ひとつのスキルを70点、また別のスキルを70点までできるように頑張って、トータルのパワーを140点にしていくのも良いのではないかと思っています。そうすればいろいろなことができるようになっていくはずです。
―― 貴重なお話をありがとうございました。
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