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PHPエンジニアとは?仕事内容と必要なスキル・年収・転職事情を簡単解説!

2021.12.02

PHPエンジニアとは

PHPエンジニアとは、汎用性の高いプログラミング言語「PHP」を用いてWebアプリケーション、ECサービス、ゲーム、ブログなど幅広いサービスを開発するエンジニアの総称です。PHPを利用したWebソリューションの専門家として、例えばデータベースと連携した検索システムや店舗の予約システム、デリバリーサービスの開発などに携わります。

PHPはWebシステムの中でも世界シェアが高く、w3techsによれば2021年10月11日時点で78.6%のウェブサイトのシステムを支えています(*1)。Wordpressが世界的に普及していることもありますが、PHP自体が汎用言語であるゆえんです。

多くのWebシステムに採用されているPHPを扱うエンジニアの実情についてまとめましたので、ぜひご覧ください。

(*1:https://w3techs.com/technologies/history_overview/programming_language

PHPエンジニアの仕事内容

ひと口にPHPエンジニアと言っても仕事内容は幅広く、就業する企業やプロジェクトによって業務内容が異なります。

データベースとの連携はもちろん、場合によってはLaravelやCakePHPなどのフレームワークに則ったプログラミングが必要になることもありますし、Fax2Mailのようなファックスの送信と連動させるAPIの利用が余儀なくされることもあります。

やや難しく聞こえるかもしれませんが、それこそが汎用プログラム言語であるPHPの魅力であり、自分の「Webでできること」を限りなく広げることができる仕事の一つがPHPエンジニアという職種であることは間違いありません。

このように広範な業務内容のため、PHPエンジニアはWebプログラマやシステムエンジニアというように広義に解釈されることが多いのも特徴です。

では、具体的にどういった仕事があるのでしょうか。

Web開発

Webアプリケーション、Webシステム、Webソフトウェアのプログラミングや設計に携わるWeb開発にPHPは多く利用されています。

有名な事例のひとつがFacebookです。厳密にはHACKという独自に開発した言語になりますが、大元はPHPをベースに構成されています。また、世界最大規模のインターネット百科事典であるWikipediaもPHPで作られていることは有名です。

ECサイトであれば、ECに特化したCMSの「ECCUBE」がPHPで作られています。ECCUBEは日本産のCMSで、ネットショップを出店する際に使われるものです。公式サイトによれば2021年10月時点で35,000店舗以上が利用しています(*2)。

このようにPHPはSNS、Webサービス、ECサイトなど多岐にわたって採用されています。PHPでできることが非常に幅広いことがお分かりいただけるのではないでしょうか。

(*2:https://www.ec-cube.net/

業務システム開発

PHPは企業が社内で利用するシステムにもたびたび採用されます。

多いのは、Excelのマクロではデータの管理に限界が出てしまうときに、PHPとデータベースを使って業務を効率化するパターンです。例えば数万件のデータを操作する場合、Excelではファイルを開くたびに数分待たないといけないことがよくあります。PHPとデータベースでアプリケーション化してしまえば、数秒でデータの操作を完了できます。

PHPが採用される理由はいくつかありますが、PHPの特徴である「扱いやすさ」が最大のポイントではないでしょうか。JAVAやC#などと比較すると、導入が非常に簡単で、かつプログラム初心者でも取組みやすい言語はPHPの他にないといっても過言ではありません。

技術的な敷居が低いことで、初期開発は外部リソースを使い、保守運用は自社内で行うというケースや、場合によっては最初から社内で作ってしまうという企業もあるでしょう。

このようにPHPは、要求されるスキルがある程度低水準であるにもかかわらず、社内の業務を効率化するには必要十分なプログラミング言語です。

ゲーム制作

ゲームの開発にもPHPエンジニアが求められることがあります。ただし、ゲーム本体の開発というよりも、ゲームから送られるデータを処理するサーバー側のプログラムが主な業務内容となる点に注意してください。

ゲーム自体のアニメーションやロジックを作りたいのであれば、C++やC#などを利用します。ソーシャルゲームはJavaScriptで書かれることもあります。PHPがゲーム制作に利用されるのは、データをサーバーに保管したり出力したりするときが一般的です。

比較的小規模の企業であれば、PHPエンジニアがゲーム本体を開発できる可能性はゼロではありません。しかし、完全分業の大企業などではゲームのロジックに触れる機会はほぼ無いと考えておいた方が無難です。

ゲーム業界に何らかの形で携わりたいのであれば、名裏方を目指すのも良いでしょう。

転職市場でのPHPエンジニアの需要

PHPは1994年を起源とする歴史ある言語でありながら、世界中の多くのWebシステムがPHPで構築されている通り、長い年月を経た今なお需要が高い状態が続いています。それに比例してエンジニアのニーズも高く、転職市場でもさまざまな求人があります。

PHPが衰退する可能性はゼロではありませんが、既存システムの保守をする人材が必ず必要なので、近い将来に仕事が無くなることはまず考えられません。また、他の言語と比べると敷居の低いPHPは企業側もエンジニアを確保しやすいため、システム構築に採用されやすい傾向にあります。

汎用性の高さからさまざまな業種のWebシステムやWebアプリケーションに携われることもポイントです。SNS、ECサイト、企業のポータルサイトなど多様な形態でPHPがシステムに数多く採用されています。

転職市場ではPHPエンジニアのニーズは非常に堅調で、在宅ワークや派遣社員、フリーランスの求人も多数あります。自身の働き方に合わせた仕事選びが可能になることも魅力の一つではないでしょうか。

PHPエンジニアに求められるスキル

PHPは汎用性が高く、さまざまな形態で利用されるため、エンジニア側にも柔軟なスキルが要求されます。そのため、PHPのスキルだけでは生き残ることが難しいことに注意しておきましょう。

基本的なシステムの流れを挙げると、HTMLやJavaScript、CSSで構成されているフロント画面から送られる入力データをPHPで受け取って、そのデータをMySQLやPostgreSQLなどのデータベースと連携させるようなフローがあります。

この初歩的な業務の中にさえ、HTML、JavaScript、CSS、MySQL、PostgreSQLといったPHP以外の技術が登場しています。PHPエンジニアはこれらの知識やスキルをおさえておくことが必要です。

初級PHPエンジニアは山ほど存在しますが、中級以上のPHPエンジニアとして転職を成功させるためには、PHP以外の知識やスキルが必要になることに注意しておきましょう。

オブジェクト指向でのPHPプログラミングスキル

PHPを使ってプログラミングするうえで、絶対必要なスキルとしてまず挙げられるのは、オブジェクト指向のプログラムが書けるかどうかという点です。

オブジェクト指向でプログラムを書けば、コードがすっきりして自身の業務を効率的に進められるでしょう。何よりほかのプログラマに引き継ぐときに、オブジェクト指向で書かれていないと受け継いだメンバーが混乱することがあります。

保守性の向上や、ほかのプログラマが見ても対応しやすいコードを生産することは、仕事としてPHPを扱う上では非常に重要なスキルです。ただ単に「動く」プログラムは誰でも書けます。ですが業務レベルでは「誰でも改修できる」コードを必要とされます。その基本的な共通認識としてオブジェクト指向は絶対に外せません。

関数や文法などはインターネットを検索すれば答えがすぐに見つかることが多いですが、このオブジェクト指向は自身のプログラミングセンスや経験によって左右されますので、積極的にPHPのコードを書き続けることが解決の糸口となります。場合によってはプロジェクトメンバーとソースコードレビューを行って、プログラミングスキルの底上げを図ってみてはいかがでしょうか。

PHP以外のプログラミングスキル

実際の仕事の現場ではPHPしか扱わないというケースは極々稀です。

PHPエンジニアがよく使用する技術としては、以下が挙げられます。

  • ・HTML
  • ・CSS
  • ・JavaScript・MySQLやPostgreSQL、Oracle Databaseなどのデータベース管理システム

HTMLであればHTML5、CSSであればCSS3など、新しい技術を求められることが一般的です。JavaScriptはjQuery、React、Vue.jsのようなライブラリの知識、スキルが必要になる場合もあります。また、携わるプロジェクトによってはデザインパターンに則ったプログラミングが必要になることもあるでしょう。

データベースに関する知識

PHPはWebブラウザなどのフロントとデータベースの連携に利用されます。具体的には、HTMLのフォームで入力して送信したデータをPHPで受け取って、データを整形したあとにMySQLにデータを登録するといったフローです。逆にHTMLから「このデータが欲しい」と要求されたときに、PHPがデータベースから値を引っ張ってくることもあります。

データベースに関する知識はPHPに限らず、サーバーサイドのプログラミング言語には欠かせません。ネットショップの顧客管理や在庫管理にも使われますし、ブログの記事を保存するときにも使われます。スマートフォンのアプリにも利用されます。

PHPエンジニアが接する機会が多いのは、データベース管理システム(DBMS)のMySQL、PostgreSQL、Microsoft Access、Microsoft SQL Server、FileMaker Pro、Oracle Database、MongoDBなどです。

PHPエンジニアには、データの連携途中でハッキングのようなリスクのある脆弱性を生まないように、セキュリティに注意してプログラムを組むことが求められています。

point!

  • PHPの初級者がまず当たる壁としてはデータベースの扱いでしょう。ひとまとめにデータベースといっても色々な種類があり、それぞれデータの連携方法が若干異なるため、少しとっつきにくい印象を持たれる方が多いようです。
  • ただ、根本的なデータベースの仕組みは似通っており、一つ扱えるようになれば応用は十分効くので、まずはどれかをある程度使いこなせるようになることをおすすめします。MySQLやPostgreSQLは無償で利用できますので練習には最適です。
  • 初心者であれば、WordPressにも採用されているMySQLが入門に良いのではないでしょうか。無料で利用できますし、「DB-Engines(*3)」によればMySQLはOracle Databeseに続いて2番目の人気があるようです。実際の仕事の現場でも無償のMySQLが採用されていることが多いように感じます。勉強に迷ったらMySQLがおすすめです。
    (*3:https://db-engines.com/en/ranking

PHPエンジニアの年収相場

PHPエンジニアの年収の相場は450~500万円です。PythonやR言語など近年のトレンドとなる統計エンジニアと比較すると年収としては見劣りするかもしれません。しかし、求人数の多さを考えると、PHPは安定した収入を継続的に得られることが魅力だといえます。

普及価格帯、いわゆるボリュームゾーンは350~650万円です。言い換えると未経験歓迎をうたっている求人では年収350万円ほどのものが珍しくありません。一方で、プロジェクトマネージャーなどの上級者であれば650万円となる可能性もあります。

年収アップのために必要なこと

どの業界でも年収をアップさせるには、業務経験を重ねることや成功体験が必要です。PHPエンジニアとして年収を上げるためにはマネジメント経験、仕様書の作成、フレームワークの利用経験などが有効となります。

年収アップにかかわる要因は以下の通りです。

  • ・プロジェクトマネジメント経験
  • ・フレームワークの利用経験
  • ・仕様書、設計書の作成経験
  • ・大規模開発の経験
  • ・業界経験

年収はスキル、経歴に付随して査定されますので、転職活動時には、自分の強みを企業に積極的にアピールすることが重要です。業務の中で以下のような経験を積むことを意識し、転職活動時に採用担当者に伝えられるように準備すると良いでしょう。

プロジェクトマネジメント経験

年収が分かりやすくアップするスキルとして、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントの経験が挙げられます。プロジェクトマネジメントとは、決められた納期に対してどのようなスケジュールを組めば期日どおりに計画を遂行できるかを調整することです。プロジェクト全体の進行管理を担当することで、チーム全体の管理ができると評価されやすくなります。

特にプロジェクトマネージャーのポジション経験がある場合は、企業によってはPHP以外の言語経験のみであってもPHPエンジニアとして上流工程を任される可能性が高くなります。

フレームワークの利用経験

PHPにはたくさんのフレームワークが存在します。特に大規模な開発ではより効率的に開発を進める必要があるため、フレームワークが採用されることが一般的です。

PHPのフレームワークとしては、以下が有名です。

  • ・CakePHP
  • ・Laravel
  • ・Symfony
  • ・ZendFramework

使用経験自体が直接的な年収アップにつながることはありませんが、転職の際に高収入の企業や案件に応募できるため、年収アップを図ることができます。できるだけ多くのフレームワークに対応しておくことで転職の幅をより広げられます。

仕様書、設計書の作成経験

仕様の策定にはエンジニアのスキルだけでなく、クライアントの業界知識が必須になります。物流系のシステムであれば物流業界の専門用語のオンパレードです。仕様書を作成する際は物流業界の知識の深掘りが必須となります。PHPだけでなくクライアントに合わせた知識が要求されるため、年収が上がる傾向にあります。

大規模開発の経験

規模の大きいシステムを作るだけの体力がある企業では、安定した資金を保有していることが多く、エンジニアに支払われる給与も高くなります。大規模開発の経験があれば転職の際に企業側の評価も上がりやすいため、高収入の求人にも強みを持って臨むことができるでしょう。

業界経験

ここで言う業界とは、システムの使われているサービス形態を指します。SNS、ECサービス、動画配信サービスのような開発の経験があれば、転職する際に同種の業界に即戦力として参入できるため、年収がアップする可能性があります。色々なサービスの開発をしておいて損はありません。

PHPエンジニアのおすすめ求人

求人数も多く収入源としては安定傾向!ライフスタイルに合わせた働き方も!

世界シェア上位に長年ランクインしているPHPは求人数が多いため、PHPエンジニアとして長期的に安定して生計を立てやすい傾向にあります。リモートワークができる求人が数多く存在するだけでなく、業務委託の案件も多く、自分のライフスタイルに合わせた働き方を選べるのも特長です。

またプログラムの難易度もそこまで高くないため、未経験からプログラマを目指す方にもおすすめの職種です。「とりあえずエンジニアを目指したい」という方は、PHP、HTML、CSS、JavaScript、MySQLの5点セットを軸に勉強してみてください。転職後、最初はフロントからデータベースの入出力といった初歩的なシステム構築を任されるかと思いますので、仕事をしながら勉強していくのがPHP習得の一番の近道になります。

初級エンジニアにとっては比較的転職しやすいPHPですので、ぜひ色々な求人情報を探してみてくださいね。

ライタープロフィール


吉村健一さん

フルスタックエンジニア
吉村健一 さん

文系大学を卒業後、新卒としてシステム開発会社に入社。研修やOJTを受け、現在の土台となるスキルを身につける。JAVA、PHPをメイン業務として遂行していたが、激務から体を壊しフロントエンドエンジニアに転身。最も好きなプログラムはJavaScript。フロントエンド、バックエンド共に経験している自称動物大好きフルスタックエンジニア。

QooTechWEB

※この記事の情報は2021年12月02日時点のものです。

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