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Webエンジニアの転職では、技術スキルに加え、あなたがどのようにチームに貢献してくれる人材かという点を企業から見られます。そのため、今まで携わってきたプロジェクトや、プロジェクトでどのような業務をしてきたか、そして、チームにどう貢献してきたかを面接時に伝えることが大切です
この記事では、企業がWebエンジニアの採用で重視しているポイントをもとに、面接までに必要な準備を5つのステップに分けて解説します。
Webエンジニアの世界では、職種や開発言語・プラットフォーム、業態などにより多少の差はあるものの、慢性的な人材不足に悩まされています。
特にここ数年は、DXに対するIT投資案件や、金融業におけるITを活用したサービス(FinTech)を展開する企業が増えるなど、IT業界全体が拡大基調にあり、Webエンジニアの需要が増えています。また2020年以降のコロナ禍によりWebサービスの利用が拡大していることも、Webエンジニア不足の要因のひとつです。
とはいえ、転職市場においては、入社直後から活躍できる即戦力人材が求められることが多いというのが実情です。ポテンシャル採用する企業もないとは言いませんが、一定レベルのスキルがなければ希望の働き方を選べる状況ではありません。
一方でスキルの高い実務経験者であれば、自分で希望する働き方を叶えることも可能です。転職活動を成功させるためには、即戦力人材としての自分のスキルをアピールすることが重要だといえるでしょう。
「なぜ、自分は転職をしたいのか?」認識する
転職活動の準備を始めるときには、まず、転職の目的を今一度考えてみてください。
漠然と転職したいと思っているだけならば、紙に目的を書き出してみると整理できます。例えば、何かのスキルを身につけたい・キャリアパスからの逆算・携わりたい業界がある・もっと稼ぎたいなど、紙に書くことで自分の目的が整理されます。
上記のようなものが見つからず、それでも転職したいと思っているのならば、転職したいと思った出来事を書いてみてください。そうすることによって、出来事から自分の目的をみつけることができるでしょう。
優先にしたいことを明確にする
目的を書き出したら、次のステップとして、目的の中で自分はどれを優先したいかを考えてください。どれを優先するか、ここはあまり深く考えず、フィーリングで問題ありません。
システムエンジニア 兼 プロジェクトマネージャ
萬徳 邦尚 さん
新卒で入社した企業は、自社でコンテンツを手がけており、企画から営業・開発まで社内で完結していました。心地よく働きやすい環境ではあったものの、他社との仕事というものを知らないまま過ごしていくことに漫然とした不安をもっていました。 そういうこともあり、転職時に優先したのは「クライアントとのやりとりができる企業」としました。結果、転職先では先の企業といろいろと勝手が違い苦労もしましたが、大手マスメディアのWebサービスなどを手がけることにより、ドキュメントや見積もりの書き方、交渉の方法など私の基礎となっていることを学べました。
転職する目的や優先したい事項が明らかになったら、Webエンジニアとしてのスキルや経験を棚卸しします。自分のスキルや経験を正しく企業に伝える準備をすることで、自分の持ち味を活かした転職を叶えられるでしょう。
自分のスキルの解像度をあげて整理する
自分のできることをわかりやすく相手に伝えられるよう、スキルの棚卸ししてください。このときに自分は何ができるか、解像度を深めて面接時に伝えられるようにすることを目標としましょう。
例えば、面接時に「PHPができます」とだけ言ったとしても、あなたがどの程度のスキルを持っているか、何が任せられるか採用する側には伝わりません。簡単な修正対応なのか、フレームワークを使った業務システム案件を担当できるのかで、スキルレベルはだいぶ異なります。
今までのあなたの経験を解像度をあげて伝えられるように準備しておくことは、企業側が業務にあなたがマッチするか見極めるための材料にもなります。(公開できるGitHubアカウントやQiitaアカウントなどを持っている方は、自分で勉強した成果をみせてもよいでしょう)。
携わってきた業務をプロジェクト単位で洗い出す
次に携わってきた業務をプロジェクト単位で並べましょう。
このときには、以下を思い出しながら棚卸しするのをおすすめします。
※KPT : Keep, Problem, Tryの頭文字をとった言葉で、プロジェクト終了後の振り返りの手法。
スキルや経験を棚卸しできたら、応募書類にまとめます。Webエンジニアの場合、履歴書の他に、職務経歴書(職歴書/スキルシート)を用意される方が多いでしょう。さらに今回はポートフォリオについても触れていきます。
職務経歴書(スキルシート)
職務経歴書を書くときには、以下を簡潔にまとめるのが基本です。
また、公開できるGitHubアカウントやQiitaアカウントなどを持っている方は、職務経歴書(スキルシート)にアカウントのURLを記載し、自分で勉強した成果を見せてもよいでしょう。
ポートフォリオ
ポートフォリオというと、デザイナーやクリエイターが用意するものという印象が強いですが、Webエンジニアやプログラマー志望の方にとってもポートフォリオは有効です。ポートフォリオを提出することで、あなたが関わってきたプロジェクトとその中でのあなたの役割・スキルについて、企業の担当者に具体的にイメージしてもらいやすくなります。
システムエンジニア 兼 プロジェクトマネージャ
萬徳 邦尚 さん
上記は、私のポートフォリオの一部です。このように、XXX社の●●という案件に携わり、▲▲という業務を行ったという形でまとめています。面接時にはこのポートフォリオで概要を、職歴書でその詳細を説明しています。
採用する側の企業は、ポジションを充足したり、新しいプロジェクトを回すために新たな人員の募集を行います。ですので、採用側が探している募集内容と、応募者のスキルややりたいことがマッチしているかというのが採用における第一のポイントになります。
まずは募集要項をよく読み、自分が本当にマッチしているか、チャレンジしてみたい内容かを確認しましょう。ここがマッチしていないで入社してしまうと、双方にとって不幸な結果になることが少なくありません。
また、企業のWebサイトなどから。事業内容や企業理念や社風などについても確認しておくことをおすすめします。社内で取り組んでいたり使用している技術について、企業のWebサイトやブログに記しているケースもあります。こういった情報から、自分が応募企業でどのように貢献できるかイメージできるとよいでしょう。
相手とマッチする自己PRや志望動機を準備する
面接前には、自己PRや志望動機をしっかりと話せるよう準備します。相手の募集内容にそぐう内容となっているか、アピールする経験は応募ポジションとマッチしているかを考えながら、内容を作成しましょう。採用側の立場に立ったつもりで内容をチェックしてみることをおすすめします。
自分の弱みも伝えられるようにしておく
自分の強みを伝えるというのはもちろんですが、自分の弱みも伝えられるとベターです。採用する側は自分のスキルを客観視できているという印象づけにつながることとなり、またミスマッチも減らすことができます。
聞いておきたいことメモしておく
面接では「何か聞きたいことはありますか?」と言われることがよくあります。面接時に聞きたいことは事前に考え、メモしておきましょう。
例えば、開発環境やチーム内で使用しているコミュニケーションツールについてや、開発する環境は選べるのかなど。面接時にWebエンジニアとして気になることを解消しておくことで、自分に合った就業環境かを判断することができます。
また面接では、チーム構成やプロジェクトの進め方などを質問してもよいでしょう。このときには、自分に対しチーム内でどのような立ち位置を期待されているのか想像しながら聞いてみることをおすすめします。
システムエンジニア 兼 プロジェクトマネージャ
萬徳 邦尚 さん
私は面接時に、相手の面接官が人事の方なのか、事業部長なのか、プロジェクトリーダーの方なのかなど、どういうポジションの人かを聞くことがあります。
これを聞くことによって、相手のプロジェクトへの関わり具合を推し量り、質問の内容を多少変えています。またこれを聞くことで、採用側がどのような採用プロセスを考えているかも想像できます。
エンジニアの採用ですので、企業はもちろんあなたのスキルについて見ています。候補者の技術の理解度を知るために、技術について少々突っ込んだ質問することもよくあることです。
また、非常に専門的な知識を必要とする質問の場合、面接者の反応をうかがっていることもあります。答えられない・わからない場合は、わからないとはっきり答えてください。わからないことをわからないと言えるのもスキルの一つです。
企業が新規人員を採用する理由は、多くの場合、今ある問題を解決するためです。面接する際に企業の担当者は「この人は一人で、または一緒に今ある問題を解決することができるか、または解決するための道筋を組み立てられるか?」ということを第一に考えます。特に正社員の採用ではこの傾向が強いでしょう。
採用担当者から、今抱えている問題を説明されることがあるかもしれません。そのときには、あっているかどうかはともかく「自分はこう思う」ということを伝えましょう。スキルが多少足りていない場合でも、問題を解決するための道筋を考えられる人と判断されれば、採用担当者から一緒に働きたいと思ってもらえることがあります。
最後に、面接に臨むときの心持ち・スタイルについてお伝えします。
それは、面接はどちらかが上ということではなく、お互い対等な立場で紹介・話をする場であるということ。「採用してやる」、「技術を提供してやる」というところではありません。このことを念頭において、リラックスして面接に臨んでください。
今まであなたが業務などで培ってきた知識や経験を、ご紹介した5つのステップを元に整理しておき、自分は何を伝えるべきか、相手から何を聞き出すべきかを想像し、準備を行っていれば何も心配はいりません。
事前準備を行って、自分の納得のできるよい転職を!
システムエンジニア 兼 プロジェクトマネージャ
萬徳 邦尚 さん
新卒にてエンタメ企業のWebサイト作成に携わる。その後、大手新聞社やインターネットプロバイダのWebサービス設計・システム開発などに従事。現在は、小~中規模の開発を中心に、コーディングから設計、プロジェクトマネージメントなどをマルチにこなす。
また、フランスで生活していた経験をもとに、翻訳マネージメントや多言語サイトの開発も得意とする。2021年より株式会社オフィス・ヴァンクール代表取締役に就任。
※この記事の情報は2021年12月27日時点のものです。
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