デザインリードの魅力とやりがいとは?GMOペパボの山林さんが選んだデザイナーのキャリアの広げ方
~公開キャリアインタビュー「Web業界ハタラク名鑑」vol.6~

2022年4月15日(金)20:00より、『キャリア迷子のデザイナーに送る!GMOペパボの山林さんが選んだデザインリードという道 〜公開キャリアインタビュー「Web業界ハタラク名鑑」~』を開催しました。

Web業界の先輩方の「ハタラク」を紐解き、自分らしいキャリアづくりのヒントを探る、「Web業界ハタラク名鑑」シリーズ。第6回目の今回は、GMOペパボでデザインリードとして活躍される山林茜さんをゲストに迎え、山林さんのキャリアの広げ方を伺いました。

デザイナーとして働く中で出会ったデザインリードという職種に「これこそ、私がやりたかったことだ!」と思ったという山林さん。そんな山林さんが考えるデザインリードの魅力に迫ったイベントの様子の一部をレポートします。

YouTubeにて動画公開中!

今回の山林さんのお話は、動画でも公開中です!レポートではお伝えしきれなかったお話もあるので、デザインリードについて詳しく知りたい方は、ぜひ動画を見てみてくださいね!!

ゲスト

 

山林 茜(やまりん あかね)さん


GMOペパボ株式会社
EC事業部 デザインリード
 

2010年に大阪から上京。派遣社員としてWebコーダー兼デザイナーを経験した後、2011年にデザイナーとしてGMOペパボ(当時 paperboy&co.)に入社。EC事業のサービスデザイン、アプリUIデザイン、イベントのアートディレクションなどを経て、2015年よりプロダクトマネージャーとしてカラーミーショップの利用体験向上のための機能開発に携わる。現在はデザインリードとしてユーザーに一貫したブランド体験を提供するための仕組みや組織づくりを進める。

目次

1.山林さんのこれまでのキャリア

GMOペパボに入社されて11年となる山林さん。まずは、これまでのキャリアの歩み方やターニングポイントについて伺いました。

Q. GMOペパボに入社されてからのキャリアの歩みは?

デザイナーとして入社して、主にEC事業のサービスデザインに携わりました。最初はショッピングモールやフリマアプリのUIデザインなどですね。

その後、カラーミーショップのカート画面リニューアルのプロダクトオーナーを担当したり、リアルイベントを開催したときにはイベント全体のアートディレクションを手がけたり…と、さまざまな経験をしてきました。

Q. プロダクトマネジメントを経験したのが、キャリアのターニングポイントだと聞きました!詳しく教えてください。

プロダクトマネジメントをする中で、これまでの自分のデザイナーとしての経験だったり思考プロセスを今まで以上に広い影響範囲で活用できている実感があって、とてもやりがいを感じていました。

また、チームで開発するのが好きなので、そこも自分に向いているなと感じていました。

その経験から、デザイナーとして事業に貢献したいという思いとチームマネジメントにも関わってみたいという思いを持つようになって。一時期は、シニアデザイナー(GMOペパボのデザイナーの上位職種)とサブマネージャーを兼任することになったんです。

ただ、求められる期待感がそれぞれ違うため、どちらも中途半端になってしまっている感覚もありましたね…。

山林さんのキャリアのターニングポイントについて教えていただいた、イベント直前インタビューはこちら

Q. GMOペパボのデザインの取組みが変わり、山林さんのキャリアにどのような影響があった?

2018年に経済産業省・特許庁が『「デザイン経営」宣言』を発表した頃から、業界全体でデザインを戦略的に経営に取り入れていく流れができ、GMOペパボでもデザインの重要性が改めて認識され始めました。

その後GMOペパボにもCDO(Chief Design Officer)が誕生し、CDOの小久保を中心にGMOペパボにおけるデザインの再定義などが行われ、より戦略的な部分からデザイナーが活躍できる環境が作られたんです。

各事業部内にデザインの力を戦略的に活用しリードする役割として「デザインリード」というポジションができることになって、「まさに私が求めていたもの!」とワクワクしましたね。ちょうどそれが、第二子の産休・育休に入るタイミングです。

育休からの復帰と同時に、デザインリードにチャレンジしたい意思を会社に伝え、約半年後にデザインリードとなりました。

2.デザインリードの役割と面白さ・やりがい

GMOペパボで新たにできたデザインリードというポジションが、ご自身の描くキャリアにピッタリだと思い、ご自身でチャレンジした山林さん。実際にデザインリードとなった現在感じていることについて伺いました。

Q. デザインリードとはどんな仕事?

事業部のビジョンやミッションに沿ったデザイン戦略を考え、それらをデザイナーと一緒に実行していくための体制づくりを行う仕事です。

デザイナーだけでなく、事業部の各チームやPdMなどとコミュニケーションを取りながら業務を進めています。全社のデザイン方針も踏まえて戦略を考える必要があるため、CDOや部長 / 副部長とやりとりをすることも多いですね。

Q. 従来の職種との違いは?

一般的に、デザイナーのキャリアの方向性として、専門性を極めていく方向と、マネージャー職を目指す方向があります。

専門力を高める方向としては、たとえばUIデザインやコミュニケーションデザインなど、それぞれの領域でスペシャリストを目指していく道がありますよね。GMOペパボでは、シニアデザイナー・プリンシパルデザイナーがこの職種にあたります。

もう一つがマネージャー職を目指す方向性ですね。ただ、マネージャー職を目指す場合、事業の予算目標や人事評価、勤怠などに責任を持つ管理職がこれまで一般的でした。

デザインリードというのは、一般的なマネジャー職と異なり、デザイナーの専門性を総合的に発揮しながら、戦略的にデザインを活用して事業目標達成に寄与することを役割としています。

デザインリードというポジションは、デザイナーが目指せるこれまでのキャリアの方向性のちょうど中間ぐらいというイメージに近いのかなという印象です。デザインが事業戦略や組織運営に活かされる流れの中でうまれた職種ですね!

Q. デザインリードの面白さ・やりがいは?

事業の戦略を考えるところから関われるので、より影響力の大きいデザインができるところですね!

その分責任は大きく、考えることは無限に出てくるのですが、それぞれの課題を紐解いて、デザイナーやパートナー(社員)と協力して進めていくプロセスそれ自体もデザインだと考え、日々新しいチャレンジをさせてもらっています。

山林さんのお話の中から、デザイナーとしてのスキルを活かしながら、より事業や経営に対して戦略的に関われるのがデザインリードというポジションだということがわかりました。責任が大きい分、大変なことも多そうですが、大きなことにチャレンジできるのが魅力ですね!

3.デザインリードの目指し方

では、もし今デザイナーとして働いている方がデザインリードを目指すならば?デザインリードに必要なスキルや考え方についても教えていただきました!

Q. デザインリードに必要なスキル・考え方とは?

大きくわけて、3つあると考えています。

1つ目は総合的なデザインスキルです。スペシャリストとして特定のデザインスキルを極めるのではなく、戦略を考えるために総合的にデザインをする力が求められると感じています。

2つ目は、仕組みや体制を作るスキルです。チーム全体をまとめていくには、自分で仕事を抱え込むのではなく、周りを頼ってどんどん権限移譲をしていく必要があります。そのためには、仕組みや体制をつくっていく力が大切だと思っています。

3つ目は、マネジメントやビジネスに関する知識ですね。

Q. どんな人がデザインリードに向いていると思いますか?

・責任を楽しめる人
・コミュニケーションが好きな人
だと思います。

デザイナーのゼネラリストともいえるデザインリード。周囲を巻き込みながら新たなことをデザインするのが好きな方は、ぜひ山林さんを追いかけていただければと思います!

4.山林さんの目指すデザインリード

最後に、山林さんが今後どのようになっていきたいのか、お聞きしてみました。

Q. 山林さんがデザインリードとして目指していることは?

ひとつは、事業部内CDOになること。事業戦略を考えるうえで欠かせない存在になりたいですね。

そのためにも、説得力のある提案をし、実際に成果を上げることをしていきたいと思っています。

あとは、デザインというのは想像的な仕事なので、なぜデザインが必要なのか将来につながるストーリーとして伝え、さらに実績として評価する仕組みや体制をつくることが必要だと思っています。

Q. 今後やりたいと思っていることは?

後進のデザイナーのロールモデルとなれればと思っています。まだGMOペパボの社内にも、デザインリードは3名しかいないので…デザイナーのキャリアの選択肢のひとつとしてデザインリードを広めていきたいですね。

あとは、他社のデザインリードやデザインマネージャーの方々ともっと交流していきたいです!

デザインリードとして、さらに次のステップを考えられている山林さんのお話を聞いていると、聞いているだけでワクワクしてしまいました!

デザイナーとして5年後、10年後にどのようにキャリアを広げていこうかと考えている方は、ぜひデザインリードというポジションも選択肢として考えてみてくださいね。

YouTubeにて動画公開中!

今回の山林さんのお話は、動画でも公開中です!レポートではお伝えしきれなかったお話もあるので、デザインリードについて詳しく知りたい方は、ぜひ動画を見てみてくださいね!!

5.参加者の声

参加者からいただいた感想を一部抜粋してご紹介します。

デザイナーとしてのキャリアを聞く機会が少ないのでとても興味深かったです。
市場にアンテナを張りながら、広い視野で自身のキャリアを積み重ねていこうと思えるイベントでした。
「業務が細分化されているデザイナー求人」が多く、深く潜れるスペシャリストが求められている傾向を感じていましたが、全体を俯瞰してデザインをビジネスに繋げられるジェネラリストのポジションは最強だと感じました。
今後さまざまな企業でデザインリードのようなポジションや組織体制の考え方が広まって、よりデザイナーのキャリアの選択肢が増えたら素敵だなと思いました。

デザイナーのキャリアの選択肢のひとつとして、最近新たにうまれた「デザインリード」というポジションについての理解を深められるイベントとなりました。

ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました!

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