事例紹介

Case Study

カシオ計算機株式会社さま

カシオ計算機株式会社さま

企業データ

URL: http://www.casio.co.jp/
事業内容: 電子機器の製造・開発・販売。主要製品は時計、電子辞書、電卓、電子文具、電子楽器、デジタルカメラ、ハンディターミナル、電子レジスター、オフィス・コンピューターなど

  • お話を伺ったご担当者さま
  • 柳 和典さま
  • 柳 和典さま
    QV事業部 第一開発部 室長
  • お話を伺ったご担当者さま
  • 野嶋 磨さま
  • 野嶋 磨さま
    QV事業部 第一開発部
    アドバイザリーエンジニア
  • お話を伺ったご担当者さま
  • 野嶋 磨さま
  • 萩原 一晃さま
    QV事業部 第一開発部

企業風土や部署の役割を教えてください

経営理念の「創造 貢献」が大切に守られている会社です。1を10にするよりもゼロから1を生むことを重視していますね。
よく我々の製品を「カシオらしい」「カシオっぽい」という言葉でほめていただくことがありますが、中にいる立場としてはどんなところでそのように感じていただけているのか非常に気になります。お客さまの想像を超えるものを創りたいという想いは常に持っているので、そうした点を評価していただけていたら嬉しいですね。

もう一つ忘れてはいけないことは、ただ単に新しいだけでなく、新しいけれど結果として全世界の大勢の人に使ってもらえるものを狙うということです。本当に必要なものを提案して使ってもらう、影響力のあるものづくりをしなければいけません。

カシオ計算機という社名のとおり電卓から始まっていますが、デジタルカメラ、時計、電子辞書、楽器、ビジネス向け機器と意外といろいろなことをやっている会社で、小さいベンチャー企業が集まっているイメージです。面白いと思ったものをどんどん創れる環境があって、一人一人の仕事の守備範囲も広い。他の大手メーカーにはない風土かもしれません。

左:萩原さま 中:野嶋さま 右:柳さま

左:萩原さま 中:野嶋さま 右:柳さま

我々の部署は、世界初の液晶画面付きデジタルカメラ『QV-10』がスタートです。写真を撮って思い出に浸るのではなく、その場ですぐに写真を見てコミュニケーションするというのが『QV-10』のコンセプトでした。『QV-10』以降も”超薄型”や”ハイスピード撮影”、”自分撮り”と他のカメラメーカーとは異なる軸足で、他社がやっていないことやこんなことができたらもっと幸せだなというところに挑戦してきました。

2016年8月4日に発表した最新のデジタルカメラ『EX-FR200』という機種はシリーズ3代目になるのですが、初代機は完成までに3年かかりました。日常を簡単に撮るという行為がデジカメからスマホに置き換わったことで、「これまで」と「これから」のカメラの楽しみ方って違うんじゃないかなという考えがありました。ちゃんと構えてちゃんと撮るという行為から解放されて、今この瞬間を大事にしながら気づいたら楽しんでいる記録が残っているというのがこのシリーズのベースコンセプトです。

これからも新しいカメラではなく新しい文化を、単なるカメラではなく新しい体験を創っていきたいですね。カメラの機能を追及することももちろんですが、高い技術を活かして我々にしかできない新しいコミュニケーションを提案していきます。

最新のデジタルカメラはアプリとの連携が重要になっているとお伺いしました

撮影する側の視点だと画質をよくしようとか操作を簡単にしようという点に注力しがちですが、撮ったものを見る・活用する側にとってはカメラの小さな液晶画面よりも大きな画面だったり、ネットにつながっている方が便利ですよね。最近は常にデジタルカメラとスマホの連動を念頭に置いて設計しています。カメラだけではできないこともアプリがあれば実現可能で、それによってこれまでにない新しい体験を提供できるようになります。

2016年6月に発売したゴルファー向けカメラ『EX-SA10GSET』は液晶画面もコントローラーもない、アプリありきで開発されたカメラです。『EXILIM Connect for GOLF』『EXILIM Analyzer for GOLF』という、撮るため、見るための2種類のアプリがあって、カメラが撮影したデータはWi-Fiで自動的にスマホに転送されます。 アプリだからこそ、見たい部分だけ再生したり、フォームにラインを引いたり2画面再生でスイングを比較したり、カメラのUIでは難しい事が快適に操作しやすくなりました。

ウェブスタッフはオンサイト(常駐)業務委託でアプリ開発におけるUIデザイン・設計フェーズを請け負っています。

  

ウェブスタッフのような外部リソースの活用で変化はありましたか

まずしっかりと仕様書に落とし込んでから開発に着手するというのが従来のカシオのやり方でした。議論を重ねながら仕様書を作って、仕様書が全部完成するまで次の担当に渡さないし受け取る側も受け取らない。どうしても時間がかかってしまいます。ウェブスタッフのデザイナーさんは自分たちとは異なる経験をしていて、カシオにないノウハウを持っています。ものづくりはトライ&エラーの繰り返しですが、ハードとソフトの違いをいろいろ感じました。特にスピード感の差は非常に大きかったですね。

一度作ると変えられないハードのものづくりと違って、アプリのようなソフトのものづくりはまず作って、間違っていたら修正することができる。ハードの文化でアプリを開発していたら『EX-SA10GSET』はまだ世に出ていないかもしれません。オンサイトという形で常駐していることも、コミュニケーションのロスが生じず良かった点です。これまではインハウスデザイナーのチームが監修しながらデザインを作って、フィードバックを受けて、自分たちの思っていたものができあがるという流れでした。同じチームにデザイナーがいることで、口頭で伝えたイメージがすぐに形になるので社内のコンセンサスを取りやすくなりました。

カメラ(ハード)とアプリ(ソフト)どちらかだけではできることに限界があって、両方あることで、もっと楽しい体験や社会への貢献ができるようになります。先ほどご紹介した最新のデジタルカメラ『EX-FR200』は、一度のシャッターで周りの空間180度をまるごと撮影できる特長がありますが、このカメラで撮影した映像を楽しむためのアルバムアプリをカメラの発売と同時にリリースします。アルバムアプリの構想段階からウェブスタッフのデザイナーさんに参加してもらっています。ワイヤーフレームを中心に、新しい撮り方・見せ方、新しい体験をどう提供するかというUX(ユーザーエクスペリエンス)のところをデザイナーの立場から考えてくれました。

ウェブスタッフに期待すること、ご要望を教えてください

今回の『EX-FR200』もそうですが、単なるカメラで終わってしまうとつまらない。楽しむための手段として「これを使うとこんなことができますよ」と提案していきたいです。まず撮影された映像を見てもらって、面白いと感じてもらって、そして自分もやってみたいと考えて商品のことを知ってもらう。カメラに興味がない人が「自分もやってみたい!」という気持ちになるような商品を創りたいですね。

お客さまも何倍ズームだとか液晶画面が何インチとかのカメラのスペックではなく、どんな使い方ができるかという情報を求めていると思います。その為の手段をいくつも用意することで、好きなものを選んでもらって、お客さまの選択肢を広げることができるといいですよね。

「デザインマネジメント」みたいなキーワードがありますが、今後のものづくりにおいては、機能の一部分だけを抜き出すのではなく、最上流の考え方から最後までをトータルで考えられないといけない。どうすればもっと使いやすいだろう、心地良いだろう、持っていて感じる喜びみたいなデザイン要素をもっと商品に盛り込んでいかなければいけません。テクノロジーに関してはすでにかなり満足をしていただけていて、機能はもうお腹いっぱいというお客さまもいると思うんです。我々のような技術者の思考ではカメラの中にいろいろな機能を盛り込もうとしてしまいます。でも、カメラだけで完結するのではなくスマホやタブレット、大型テレビなどを活用することで、お客さまにとって一番よい体験を企画していくことがこれから必要になってきます。そのときに社内の知識・技術だけでは足りない部分が必ず出てくるので、ウェブスタッフさんで補完してくれるといいですね。

左から:萩原さま 野嶋さま 柳さま 弊社営業担当 村上

左から:萩原さま 野嶋さま 柳さま 弊社営業担当 村上

デザインという視点で考えたときに、今のITのデザインを引っ張っているのはAppleやGoogleといった企業だと思います。そうしたところが出しているガイドラインなども、素人の我々がそのまま読んで理解することは難しいです。でも知らないままでよいかというと決してそうではない。だからウェブスタッフさんで咀嚼して噛み砕いた形で我々が吸収できるようにしてもらえると嬉しいですね。

ウェブスタッフさんは、いろいろな業界の企業とお付き合いされていると思うので、この業界のこのツールを使ったら新しい体験が生まれるんじゃないかとか、是非ハードに関する提案もお願いします。協業はインタラクティブになった瞬間に面白くなる。他社では実現できないことに挑戦していくのが「カシオらしさ」なのかもしれません。

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