コンサルタントコラム
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人材派遣
2020.12.25 公開 / 2020.12.25 最終更新
派遣社員を採用しても、すぐに辞めてしまうというという悩みを抱える企業は少なくないようです。短期間に人が入れ替わる状況が繰り返されると、人材確保のコストがかかるだけでなく、業務や職場環境が不安定になるリスクがあります。
ここでは、派遣社員がすぐに辞める理由と、派遣後の定着を促すための8つのポイントについて解説します。
目次
人材派遣という制度は、企業の希望に合ったスキルを持つ人材に、必要なときにのみ働いてもらうことができる仕組みです。企業の状況に応じて働いてもらう期間を決めることができる一方で、派遣社員側も自分の状況に応じてその企業で働き続けるかどうかを決めることができます。
派遣契約は1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月などが一般的で、企業と派遣社員双方の必要に応じて契約を更新するのが一般的です。しかし、環境が合わないと感じれば、企業側から契約更新の打診があっても更新をすることなく、満了日をもって就業を終える派遣社員も少なくありません。場合によっては契約期間内に就業を終えるケースも珍しくありません。
企業側が長期就業を望んでいる場合は、採用や就業開始時のオリエンテーションに関わる時間やコストを考えれば、短期間で契約終了となることは避けたいところです。
では、辞めるという判断にはどのような理由があるのでしょうか。
派遣社員が仕事を辞める大きな原因のひとつに、本人のスキルと企業から求められる業務レベルと合わないというものがあります。企業が派遣人材を採用する際には、即戦力として活躍することを求めるでしょう。同様に派遣社員側も自分のスキルを活かして働ける職場を求めています。
自分の持つスキルに対して業務が簡単すぎる場合には、やりがいを感じられなくなり辞めてしまう派遣社員は少なくありません。特にIT・Web業界で働く人は、自分の成長を実感できる環境を重視する傾向にあります。今の職場よりも成長できる求人を見つけると、短期間で転職してしまうことも珍しくありません。
逆に企業で求める業務レベルに対してスキルが足りない場合には、派遣社員が精神的な負担を感じてしまいます。企業にとっても求めているスキルに達しない人材に業務を任せることは、リスクでもあるでしょう。
IT・Web人材を採用する際には、専門スキルに関する知識が必要です。しかし具体的にどのようなスキルを持った人材が必要なのか、採用担当者が判断できないケースもあるでしょう。
ウェブスタッフはIT・Web業界専門の派遣会社。業界知識が豊富なコンサルタントが、派遣スタッフ一人ひとりのスキルや志向を把握したうえで、御社のご要望に合った人材を派遣いたします。事前のスキルマッチを重視しているため、長期就業につながりやすいのが特長です。
▶︎ウェブスタッフの特長職場の人間関係や環境が原因で、スキルのある派遣社員が辞めてしまうというというケースも少なくありません。派遣社員は立場上、職場内で疎外感を感じやすい傾向にあります。そのためケアが不十分だと、やる気をなくしたり、委縮してしまったりすることもあるようです。
たとえば、忙しい職場では社員同士の会話が少なかったり、昼の休憩も各自が別々にとることもあるでしょう。忙しさのあまり、高圧的な態度をとる社員もいるかもしれません。また、派遣社員同士の仲が悪いといったケースもあります。そういったことから、「人間関係がギスギスしている」「派遣先の社員に嫌われている」と感じてしまう人もいるのです。
何度も派遣社員が辞めてしまう場合には、職場環境やコミュニケーションに問題がないか見直す必要があるかもしれません。
ウェブスタッフでは、企業・派遣社員双方が納得して働く環境を提供するために、採用時のスキルやパーソナリティのマッチッチングを重視しています。さらに、定期的な面談等の就業中ケアにより、97.5%以上が契約を更新し、長期就業につながっています。
※ あらかじめ派遣期間が定められた短期派遣を除く。
※ 調査期間:2019年8月1日~2020年7月30日、ウェブスタッフ調べ
育児・介護など、家庭の事情によりフルタイムで働けない人が、派遣という働き方を選択している場合もあります。そのような人たちの中には、家庭の状況の変化により仕事を続けられなくなるケースもあるでしょう。
ただし、職場環境や待遇に不満がある場合でも、家庭の事情を口実にすることもあります。もし派遣社員が家庭の事情で辞めるケースが続く場合には、ほかに理由がないか掘り下げてみてもよいかもしれません。
派遣社員の中には、どこの職場でもすぐに辞めてしまう人がいるのも事実です。しかし、派遣入社した人材が入っては辞めるということが繰り返される場合には、職場にも何らかの課題がないか見直す必要があります。
たとえば、以下のような項目に当てはまる部分がないかを確認してみてください。
上記のうち5個以上該当する場合には、派遣社員の働く職場環境に問題がある可能性があるため、改善を検討してみてはいかがでしょうか。
派遣社員に長く働いてもらうためには、採用時のミスマッチを防ぎ、就業後のコミュニケーションを強化することが効果的です。派遣社員と派遣先企業の社員が互いに信頼関係を持って働く状況を作り出せれば、期待している以上の成果を出してくれるかもしれません。定着率を高めるための具体的なポイントは、以下のとおりです。
自社のニーズに合った派遣社員の確保には、求める人材のスキルレベルを派遣会社の担当者に細かくと伝え、求人情報に反映することが有効です。スキルレベルをはっきりとさせていないと、採用時にミスマッチが生じるリスクがあります。
自社で採用した人材であれば、その人のスキルや素地に合わせて教育をしたり配置転換したりすることが可能です。しかし派遣社員の場合は、あらかじめ決まった業務を任せる前提で採用するため、配置転換などは難しいでしょう。
担当業務のスキルレベルに達していない人材だけでなく、スキルが高すぎる人材を採用した場合にも、ミスマッチから早期退職につながりやすくなります。自社の求めるスキルを明確にし派遣会社に伝えることが、人材定着への第一歩です。
ウェブスタッフでは、各業務に対して必要なスキルのレベルを把握し、業務内容に応じたIT・Web人材を派遣しています。業務内容に対して必要なスキルレベルがわからない場合には、ご相談ください。
派遣社員に任せる業務内容を整理し、採用段階で候補者に明確に伝えておくこともおすすめです。事前に説明された求人の内容と実際の仕事内容に食い違いがあると、せっかく入った派遣社員に「事前に聞いていた仕事と違う」と感じさせてしまい、早期の離職につながってしまうことがあります。
特にIT・Web業界では、多くの人が業務を通じてスキルアップする意欲を持っています。自分が成長できる環境だと判断して入社する人が多いため、実際の業務と事前情報に乖離がないほど、長期就業につながりやすくなるでしょう。
POINT
派遣社員に任せる仕事の中に、ルーティンが含まれる場合は多いでしょう。決められた業務を確実に進められるということは、大切なスキルのひとつです。しかし、IT・Webの業務はクリエイティブな分野のため、なかにはルーティン業務に物足りなさを感じる人もいます。
採用時にルーティン業務がどの程度発生するのかを明確にし、事前に認識をすり合わせておくことが、早期退職の防止につながります。
業務ルールを明確にしマニュアルを整備しておけば、入社したばかりでも業務フローを把握しやすくなります。また、突然の体調不良などで休んだときにも周囲がフォローしやすくなるため、働く人の心理的な負担の軽減にもつながります。結果、派遣社員が働きやすい環境が整い、長期就業につながりやすくなるでしょう。
具体例として、チームで制作や開発を進めていく場合、共有データ・共有フォルダの運用ルールを決めておくことが挙げられます。共有フォルダ内を整理しデータを共有できる状態を作っておけば、業務の効率化にもつながるでしょう。たとえば、ほかの人が作ったバナーのpsdデータをベースに別のバナーを作る、担当者が不在のときに急ぎの修正に対応する、といったことが可能になります。
特にひとつのデータを利用して複数メンバーで制作・開発する場合、バージョン管理の方法を決めておかないと、作業データが失われるリスクがあります。Adobe XD、Figma、Sketchなどデザインツールのクラウドドキュメントや、Gitのようなバージョン管理システムを利用することもおすすめです。
新しく派遣社員を受け入れるときのために、受け入れマニュアルを作っておくこともおすすめです。どんなにスキルの高い人材であっても、職場に入って間もないうちは業務に対する不安を持っているものです。もし入社時に企業側の歓迎ムードが伝われば、その職場に早く馴染むことができます。特に就業して最初の1週間の企業側の受け入れ態勢がカギと言えるでしょう。
たとえば、PCや使用ツールのセッティング、IDの発行などの事前準備、利用ツールや役割ごとの権限などを一覧にしておけば、派遣社員が就業初日から業務に取り掛かれる体制を作ることができます。
また、サービスの開発やサイトの制作のためには、サービスそのものに対する理解を深めることも欠かせません。担当するサービスのコンセプト、ターゲットユーザー、競合企業の解説なども、マニュアルにまとめておき、本格的に業務に取り掛かる前に確認できるようにしておくと効果的です。
受け入れマニュアルがあれば、企業側と派遣社員の意識の食い違いを防ぐことにもつながります。
POINT
入社してすぐは覚えることが多いため、すべての情報を初日に教えるのではなく、数日にわけて社内の情報を伝えていくことがおすすめです。入社初日、2日目…にやってもらうこと・覚えてもらうことをマニュアルとしてまとめておき、入社した派遣社員に実践してもらうとよいでしょう。
マニュアルはWordやExcelファイルで管理するほか、「Google Sites」「esa」「Qiita:Team」などを活用し、社内Wikiとして運用する企業も多いようです。
以下は、マニュアルの具体例です。
派遣社員が担当する業務範囲を明確にしておけば、チームメンバーとの行き違いが生じるリスクを軽減させられます。担当範囲がはっきりしていれば、派遣社員は担当範囲内で自分で判断して業務に当たったり、担当範囲外のことであれば指示を仰いだりすることができます。
また契約上の指揮命令者が決まっていても、実際の業務では別の社員に指示や助言を仰ぐ必要が出る場面もあるでしょう。しかし、派遣社員はそれぞれの仕事の担当者を把握しているわけではありません。業務で疑問などを持ったときに、その内容を誰に相談すれば良いのか明確にしておくと、不安を感じにくくなります。
そのほか、社内の組織図や担当部署の体制を共有しておくこともおすすめです。担当する業務が社内でどのような役割を担っているのか理解できると、派遣社員も業務を進めやすくなります。
ウェブスタッフでは、派遣社員に対して初日のオリエンテーションを実施。担当業務の内容・業務範囲はもちろん、派遣先企業でどのような人が何を担当しているかといった内容を共有します。
POINT
IT・Webに関する実務を派遣社員や業務委託のメンバーに任せている企業の場合、指揮命令者はその企業の社員となっていても、細かい実務については先輩派遣社員や業務委託メンバーから教わるというケースもあるでしょう。しかし指導に当たる人とのコミュニケーションがうまくいかないというケースも少なくありません。
社員が直接実務の教育・指示を行わない場合には、質問しやすいようにフォローをすることがおすすめです。
派遣先企業の社員側から派遣社員に対して積極的にコミュニケーションを取り、気軽に質問・雑談できる雰囲気を作ることも、長期就業を促すうえで効果的です。派遣社員は立場上、自分からの質問や意見を控える人が多い傾向にあります。気軽なコミュニケーションができる環境を作っておくことは、業務上のトラブルを防ぐことにもつながるでしょう。
特に新型コロナ感染拡大以降は、在宅勤務を導入する企業が増えています。在宅勤務では派遣先企業の社員が派遣社員の仕事を対面で確認できないため、コミュニケーションの取り方が難しいものです。たとえば以下のような点に気をつけてみてはいかがでしょうか。
また、SlackやChatworkなどのコニュニケーションツールを利用し、文字コミュニケーションを有効に活用する企業もあります。たとえば、気軽な雑談ができるチャンネル(グループチャット)を作る、各自の日報をSlackやChatwork上で共有し、各自の担当業務の進捗・業務上の困りごとなどをお互いに共有する、などの方法もおすすめです。
派遣社員が安心して働ける環境を作るためには、仕事に慣れてきたタイミングで、定期的に研修や面談を行うのも効果的です。忙しい職場では、業務や職場環境に対する不安や疑問を業務中に話しづらいと感じる人もいます。改めて話す機会を作ることで、派遣社員の不安や疑問を解消することができます。さらにトラブルの芽を摘むことにつながることもあるはずです。
面談時には、その人が業務が会社や同僚・社会に対して貢献していることや、一緒に働く同僚がその人を評価している部分などを伝えてみてはいかがでしょうか。今後の成長を期待している派遣社員に対しては、具体的にどのようにスキルを伸ばしていって欲しいか、今のスキルをどのように業務に活かしていって欲しいかといったことを伝えることも効果的です。
派遣社員が職場の人間関係や環境に馴染めない場合、そのことを誰にも相談できずにひとりで悩み、辞める決意をするというケースが多いようです。こういったことを防ぐため、ウェブスタッフでは入社後のフォローに力を入れています。
担当コンサルタントやフォロー専任担当者が、入社直後はもちろん、その後も定期的に派遣社員の就業をフォロー。定期的に電話・オンライン面談する機会をつくり、派遣社員の精神的なケアやトラブル防止に努めています。
▶︎ウェブスタッフのサポート体制企業側が長期就業を望む派遣社員に対しては、成長できる機会を作ることもおすすめです。
企業が派遣人材を雇う場合、あらかじめ決まった業務を任せる前提で採用を行うため、その後の成長機会が限られてしまうケースは珍しくありません。しかしIT・Web業界で働く人は、成長意欲が高い傾向にあります。派遣先企業でこれ以上スキルアップできないと感じたら、短期間で次の仕事に切り替える人も少なくないのです。
たとえば、正社員と同様に教育訓練の場を与えたり、新しい技術を一緒に使ってみたりしてもよいでしょう。また業務遂行にあたり、派遣社員の意見を一度聞いてみることも効果的です。派遣社員はここまでしかできないと先入観によって線を引くのではなく、その人のスキルや希望に応じてスキルアップの機会を作ってみてはいかがでしょうか。
また、現在派遣雇用を選択している人の中には、将来的に正社員として働くことを希望している人も少なくありません。一人ひとり希望に応じて成長機会を提供することは、将来的に優秀な人材を確保することにもつながります。
ウェブスタッフでは、IT・Web業界で働くデザイナー・ディレクター・エンジニアの方向けのイベントやセミナーを開催。ウェブスタッフから就業中のIT・Webクリエイター人材が御社で活躍し続けるために、スキルアップにつながる取り組みを実施しています。
▶︎ウェブスタッフのイベント・セミナーITサービスが拡大する中、優秀なIT・Web人材の確保に頭を悩ませる人事担当者の方は多いのではないでしょうか。優秀な人材の採用が難しいだけでなく、採用した人材がなかなか定着しないという課題を抱えている企業もあるでしょう。そこで近年注目されているのが、人材の早期退職を防止し、戦力化につなげるための取組みである「オンボーディング」です。
ウェブスタッフでは、派遣社員のオンボーディングサポートを実施しています。就業初日に弊社コンサルタントが同席・司会進行のもとオリエンテーションを実施し、派遣社員の受け入れ態勢を強化。また職場に定着したと判断するまでのあいだ、担当が面談を実施しています。
さらに、定着後もオリジナル評価シートにより派遣社員の働くモチベーションをアップさせるなど、派遣先企業で長く働くためのバックアップを行います。
IT・Web人材の派遣採用を検討されているのであれば、ぜひご相談ください。
▶︎ご相談・お問い合わせはこちら
専門コンサルティング分野:組織・人事・キャリアデザイン
実務経歴:明治大学政治経済学部卒。キャリアコンサルタントとして1,200名以上のIT・Webクリエイターの転職を支援。現在は、大手ポータルサイト、放送局のスタッフィング・チームマネジメントに従事。
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