コンサルタントコラム
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テレワーク
2020.05.07 公開 / 2020.07.28 最終更新
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による政府の緊急事態宣言が発令されて以降、多くの企業で急速にテレワークが拡大しました。緊急事態宣言解除後も、新しい生活様式の一環として多くの社員がテレワークを継続する中、業務効率を維持するために派遣社員のテレワークを導入する企業が増えています。
ここでは、派遣社員にテレワークを適用するうえで必要な手続きや準備、そしてテレワークにおける課題点について解説します。
テレワーク導入の準備は、派遣社員と直接雇用の従業員とで大きな違いはありません。しかし、細部では契約書などで異なる部分があります。派遣社員にテレワークをさせるためには、どのような準備が必要か確認していきます。
派遣社員を雇うために派遣会社と派遣契約を結ぶ際には、派遣社員の就業する場所を決めておくよう、労働者派遣法で定められています。派遣社員にテレワークをさせるためには、派遣社員の自宅などを就業場所として明示する必要があるのです。
そのため、もともとテレワークを前提としていない派遣契約を結んでいる派遣社員に自宅で業務をさせるためには、原則として派遣契約に内容を変更する必要があるでしょう。
ただし新型コロナ感染症による緊急事態宣言が出されたことを受け、厚生労働省は4月10日、「緊急の必要がある場合についてまで、事前に書面による契約の締結を行うことを要するものではない」と発表しました。事前に派遣先企業と派遣会社のあいだで十分に話し合い合意が取れていれば、書面契約の変更なしに、派遣社員に自宅で勤務させることが可能です。
POINT
テレワークを前提に新たな派遣契約を結ぶ際には、事業所とともに派遣社員の自宅を就業場所として明記しておくようにしましょう。
今回の新型コロナウイルス感染の拡大にともない、ウェブスタッフでは、新たにオフィス勤務を基本とする派遣契約を結ぶ場合にも、就業場所に派遣パートナーの自宅を加えておくことをおすすめしています(※)。
※派遣パートナーの自宅の住所は個人情報にあたるため、事前に派遣パートナーの同意がえられた場合に限ります。
参考:厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)(令和2年5月3日時点版)
派遣社員に限らず、従業員にテレワークをさせる場合、業務を進めるために必要なPCやインターネット環境などを整えなければなりません。PCなどの情報通信機器については、会社貸与PCを支給するケースと従業員の私物PCを使用させるケースがあります。どちらを選択するのかは、会社の体制や考え方によって異なるでしょう。また、テレワークで生じる通信費を事業主と従業員のどちらが負担するかについても、事前に労使で話し合って決める必要があります。
POINT
派遣社員に私物PCを使用させる場合には、原則として、事前に派遣労働契約に明記する必要があります。新型コロナ感染拡大による緊急的なテレワーク措置で書面に明記することが難しい場合、派遣社員・派遣会社と十分に話し合い、合意をとることが必要です。テレワークに関する通信費についても、事業主と派遣社員のどちらが負担するのか、派遣社員だけでなく、派遣会社とも話し合う必要が生じます。
ウェブスタッフでは、派遣社員の在宅勤務を希望される企業を対象に、テレワーク導入のサポートを行っています。
事前準備さえできれば、派遣社員を在宅勤務させることには大きなメリットがあります。具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
2020年4月に施行された改正労働者派遣法では、同一労働同一賃金の原則により、派遣社員に対しても通勤交通費の支給が必要となりました。企業で設定する交通費の上限額が月々3万円だと仮定した場合、派遣社員を自宅で勤務させることで、一人当たり年間最大36万円のコスト削減が可能です。
▶︎同一労働同一賃金のご案内近年、IT・Web業界では、自宅の勤務を希望する人材が増えています。特にスキルの高い人材ほど、自分のライフスタイルに合わせた自由な働き方を望む傾向にあります。オフィスへの出社を義務付けているというだけで、多くの企業が優秀な人材確保のチャンスを逃しているのです。
今後は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、自宅で仕事をしたいという人材はさらに増えていくでしょう。なかには、テレワークを導入しない企業に勤めることをリスクととらえる人もいるようです。政府による緊急事態宣言以降、在宅勤務ができない仕事から在宅勤務が可能な仕事への転職を希望する人材も増えています。
さらに、今回の新型コロナ感染拡大を機にITへのニーズが高まっており、新型コロナの状況が落ち着いた後もIT人材の確保は難航するといわれています。特にキャリアを積んだ高スキル人材は、採用が難しい状況が続くでしょう。
在宅勤務という働き方を認めることで、高スキル人材を採用できる可能性が広がります。また子育てや介護のために時間に制約のある優秀な人材に、長時間働いてもらうことも可能になります。
お役立ち資料
ウェブスタッフが実施したアンケートにおいても、有事でも仕事を継続できるよう、在宅勤務を望む声が多いことが明らかになっています。Withコロナ時代における、採用活動や社内制度の見直しのポイントをご紹介しています。
資料ダウンロード従業員にテレワークをさせるときには、オフィスで業務させるときとは違う課題が生じます。それは直接雇用の従業員であっても、派遣社員であっても同じです。テレワークではどういった課題が生じやすく、その解決にはどのようなことが必要なのでしょうか。
派遣社員は、派遣先企業の社員から指示を受けて業務を遂行します。従業員が同じオフィス内で働く環境であれば、派遣社員に対して口頭で指示を出すことができるでしょう。しかし派遣社員に在宅勤務をさせるときには、口頭で指示を出すことができないため、業務内容の細かなニュアンスが伝わりにくいという問題が生じます。そのため、わかりやすい業務指示を工夫しなければなりません。
また派遣社員側も、業務中にわからないことが生じたときに、同じオフィスで仕事をする環境であれば、すぐに質問することができます。しかしテレワーク中でお互いに顔を合わさない環境では、質問をためらう人もいるようです。
派遣社員にテレワークをさせるときには、コミュニケーションのロスが生じないような仕組みづくりが重要となります。オンラインミーティングシステムやチャットツールなど、活用するツールは企業によってさまざまです。どのツールを利用する場合でも、派遣社員が気軽にコミュニケーションを取りやすいよう、心理的な安全性を確保することが大切だといえます。
従業員にテレワークをさせると、業務に関する情報が事業所以外で扱われることになり、情報漏えいのリスクが高まりますます。
たとえば、自宅に持ち帰るノートPCや携帯端末などの紛失・盗難のほか、安全性が確保されていない公衆Wi-Fiの使用や不正ソフトウエアのダウンロードなどが、リスクとして考えられます。情報セキュリティ対策がなされていないと、作業の中断、情報漏えい、重要情報の消失など、企業活動にとって大きな危険が生じるということを認識しなければなりません。
そのため、テレワーク導入時には、情報セキュリティの安全性確保が非常に重要です。組織としての情報セキュリティの方針を定めた「情報セキュリティポリシー」を作成するなどルールを決め、テレワーク勤務者に遵守させることが必要となります。クラウドサービスの利用など、技術的対策も大切です。
参考:総務省 情報システム担当者のためのテレワーク導入手順書
総務省 テレワークセキュリティガイドライン 第4版
お役立ち資料
セキュリティ教育を通じて情報セキュリティに関する知識を習得させれば、従業員一人ひとりがリスクを事前に察知できるようなります。従業員のセキュリティ意識向上にご活用ください。
資料ダウンロードテレワークでは、同じオフィスで仕事をしているときとは違い、それぞれの従業員の働く姿が見えません。そのため、従業員が真面目に勤務しているかどうか、わかりづらいと感じる方も多いようです。特に派遣社員は時給で働くケースが多く、稼働時間がわかりづらいことが、派遣社員のテレワーク導入の課題になっています。
最近ではテレワーク中の従業員の勤務時間や作業内容を管理できる、さまざまなツールが開発されています。派遣社員にテレワークをさせる際には、ツールの利用を含め、派遣会社と勤怠管理の方法を話し合うことが必要です。
ウェブスタッフはIT・Web業界に特化した人材エージェントとして、高スキルなWebデザイナー・Webディレクター・フロントエンドエンジニアの在宅勤務での人材派遣を行っています。以下のように派遣パートナーのテレワーク時の管理体制までしっかりとサポートするため、テレワークを初めて導入する企業でもスムーズに在宅の派遣人材をご活用いただけます。
在宅人材派遣にご興味をお持ちであれば、ぜひ一度お問い合わせください。
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専門コンサルティング分野:組織・人事
実務経歴:青山学院大学国際政治経済学部卒。事業会社、官公庁などの人材派遣を中心に手掛けたコンサルティングは500件超。人材派遣×制作請負など、横断的なチームマネジメントを得意とする。
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